総務省主体で進めている「若年層に対するプログラミング教育の普及推進」をご存知でしょうか?
プログラミング教育の必修化に向けて、プログラミング教育の低コストかつ効果的な実施手法や指導者の育成方法等を実証するための事業です。全国を11のブロックに別け、各ブロックで公募により選出された実証プロジェクトを支援しています。
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/kyouiku_joho-ka/jakunensou.html
プロジェクト自体は間違っていない気がするのですが、疑問というか懸念というか・・・もやもやしたものが沢山浮かぶプロジェクトでもあります。
なぜ文科省ではなく総務省?と思いますが、おそらく各地方自治体が教育人材を確保しなければならないという観点では、各地方自治体の取りまとめ役となる総務省のお仕事なんだと思います。システム開発の仕事の殆どが東京に集中している現状で、地方にはプログラミングをできる人材自体が不足している現状で、教育を実施する側の人材確保は差し迫った課題といえます。このような事業の中からより良いモデルが生まれることを切に願います。
ちなみにプログラミング教育に関しては、文科省も当然活動しているわけで、そのあたりについて各省庁間の横の連携がスムーズに行われているのか?と危惧されるわけですが、一応「ICT CONNECT 21」なる組織が立ち上がり、経済産業書と民間も交えた活動が始まっているようです。本組織の活動は今後細かくウォッチしていきたいと思います。
https://ictconnect21.jp/
さて、話は「若年層に対するプログラミング教育の普及推進」に戻しますが、すでに初回採択された11のプロジェクトは約1年間の事業を完了しており、その成果報告については順次下記サイトで閲覧可能になっています。
http://programming.ictconnect21.jp/
非常に興味深い活動が全国で行われており、特に本事業の主たる課題である「教育を実施する人材の確保」については、多くの取り組みがなされています。全体的な方向性としてはメンターと呼ばれる教育実施者を既存の小学校の先生達に任せるのは困難な為、地域の大学・民間企業と連携してメンターを育成していこうという流れのようです。個人的にはシルバー人材やPTAを育成している事業に注目しています。田舎になると周りに大学もIT企業も殆ど無いところが大半の訳で、そういった地域の課題解決に向けたモデルケースとして非常に興味深いです。
懸念点としてはビジュアルプログラミングが多すぎるのでは?というところでしょうか。「子供向け=ビジュアルプログラミング」というイメージが過度に浸透しすぎているのではと思います。教育の延長線上に産業があるはずで、そこで活躍できる人材につなげるためにはビジュアルプログラミングだけで終わることはできないはずだと思います。ある意味ビジュアルプログラミングで初期教育(=プログラミングが身近だよ!って気づかせる)を行えることは既知の事実であって、メンターの確保も比較的ハードルが低いこともわかってます。それをこれ以上繰り返し実証することについては、あまり意味がないのでは?と思うわけです。その先の本格的なプログラミング教育にどうつなげるかが、本当に解決すべき課題なのでは思います。2021年の中学校とかどうすればよいのか?未だ道は険しいと再認識させられます。
プログラミング教育の行き着く先って見えてやってるんでしょうか?評議員にもっと実際にプログラミングで飯食ってる人を足した方がいいじゃないかな?