タミヤの虫ロボットとIchigoJamを使ってロボットプログラミング教材を作る方法です。なるべく安く、ただしなるべく工作の簡易な方法を目指しました。工具も最小で済むのでよければ参考にしてみてください。
世間のロボットプログラミング教材は高い・・・いや、昔に比べたらかなりお手軽な選択肢も増えてきました。それでも高いと思います。どうにか安いロボットプログラミング教材はないものか・・・。もちろん、全部自作すれば安くなる訳ですが、それだと普通の人は作れなくなってしまいます。なるべく少ない工作でなんとか面白く動くロボットプログラミング教材をつくれないか?いくつかのサイトを調査して、はんだ付け不要、細かいギアボックスの組み立てがないそれでいて面白い動きをするロボットをめざし、幾つかの工夫を加えながら今回の工作方法をまとめてみました。
まずは材料を紹介します。
今やヨドバシカメラのネットショップでも買えるらしいです。上記価格はヨドバシ価格。キーボードや小型のモニタ等がセットされたフルバージョンで9,290円(2017年11月現在)だそうです。うーん、モニタ付きだと安い様なきがします。もちろん手持ちのIchigoJamがあればそれでオッケーです。
[2チャンネルリモコンシリーズのいずれか]
実売価格だともう少し安くなると思います。
次に工具です。あまり沢山は必要ありません。ハンダとか不要にしてあるのがポイント。
安いものでも良いのですが、こういった先のフラットなものがあると色々と作業しやすいです。長く使うとなるとそれほど高くも無いでしょう。
今回の工具のなかで一番普通のご家庭にはなさそうな工具がこれです。カッターで代用できない事もないですが、圧倒的に作業が簡単になるので持ってなければ是非購入してください。
写真のような0.5ミリから剥けるもので、殆どの電子工作が事足りると思います。
普通のはさみでオッケーです。使う場所も限られてます。カッターでもできます。
今回はタミヤの対戦セットを入手しました。
まずは普通にタミヤのロボットを組み立てます。もちろん手順書が付属しているのでそれを見ながら作れば良いので、この部分は詳しく説明はしませんが、若干手順書の理解が難しいところがあるので、その部分だけかいつまんで説明します。
バネの両先端部分をリモコン基盤の突起に引っ掛けるところが手順書の絵ではわかりづらいです。
少しわかりづらいですが、実際の組み立ての際に、上記写真と見比べて黒い小さなバネを引っかけて、リモコンのスティックが自然に中心に戻るようになっていればOKです。ただし、実はロボットにする場合は切り離すので、必ずしも作る必要がありません。
ギアボックスにモーターを取り付ける段階で、左右を意識する必要はありません。説明書の通りに差し込んでください。モーターには電線がすでにはんだ付けされており、さらにギアボックスも組み立て済みなので、難しい作業は一切ありません。
この様な状態のモーターに小さなギアを取り付けて、ギアボックスに差し込んで、カバーをはめるだけです。
唯一のポイントはモーターを取り付ける向きです。モーターから伸びている電線が緑のギヤと反対側に来るように差し込んでください。
別の言い方をすると、ギアボックスに差し込んだ後につけるカバーをかぶせる側に、モーターの電線がくるように差し込んでください。両方のギアボックスに取り付け後はこのような状態になります。
モーターから伸びる電線の色によって取り付けるギアボックスの左右が違います。組み立て説明書では右側に赤白の電線が伸びるギアボックスで、左側に青黄の電線が伸びるギアボックスを取り付けます。作るインセクトのタイプによって左右が違うのですが、例えばクワガタ・カブトタイプだと、丸くカーブを描いているのがお尻側です。
この写真だと上がお尻ですね。
ちなみにメーカーの組み立て説明書は、このとき昆虫胴体をひっくり返した形で説明しているので、最終的に昆虫を背中側から見ると左足部分が赤白の電線がついたギアボックス、右足部分に青黄の電線がついたギアボックスを配置している事になります。
カブトムシの角はそれほど難しくは無いのですが、クワガタの顎は少し細かいパーツがあるのでなくさないように気をつけてください。クワガタの顎の組み上がり状態はこのようになります。
こういう感じで足を組み立てて、本体に組み込んでいきます。あおいスポンジ状の丸いところが、地面に設置する側になります。この足の組み立てが一番組み立て説明書でわかりづらい部分なので、丁寧にパーツの番号を確認しながら組み立ててください。ポイントはギアボックスの取り付けで説明した様に、組み立て説明書は昆虫のお腹を上にした状態で説明しているので、右足の組み立てが左側に、左足の組み立てが右側に描いてあったりします。組み立ての最終段階までこの状態で説明されているので、左右の足の組み立てに注意してください。最後に電池があれリモコンで動かしてみてください。ちゃんと動けばまずはムシロボの土台の完成です。
今回の組み立ての最大の見せ場?です。2チャンネルリモコンのケーブルを切り離します。切りはなしたケーブルは最終的にはIchigoJam+MaypleSyrupにつないで、プログラムから動かせるようにします。2チャンネルリモコンのかわりに、IchigoJam+MaypleSyrupから電流をながすわけです。しかし、既製品をぶった切るというのはちょっとドキドキしますよね。でも心配しないでください。切り離した2チャンネルリモコンも後で使える様に工作できますから。
切り離す部分は本体から15〜20センチぐらいのところで良いと思います。ニッパーでエイっとやってください。
切り離したケーブルはそれぞれを少しバラバラにして、ワイヤーストリップで皮膜を剥きます。
剥く長さは5ミリぐらいあれば良いと思います。
それぞれのワイヤーにコネクター(オス)をワイヤーストリッパーの先端のペンチ部分で取り付けて行きます。
これがコネクター(オス)
剥いたワイヤーの銅線をコネクターに差し込んで、コネクターの根元をペンチでぎゅっと挟むと出来上がりです。
4本すべて行ってください。コネクターをつけ終わったら、コネクターをコネクター用ハウジングへ差し込みます。
これがハウジング。
ハウジングの穴の開いている面が引っかかるようになっているので、穴の開いている面がコネクターの締め込んだ部分に差し込んでください。ハウジングが外れ難くなります。
全部ハウジングをつけたら、いよいよIchigoJamの組み込みです。組み込みと言っても、背中に取り付けていくだけなので難しくはありません。
まずは耐震パッドを背中に張ります。
このとき、背中の突起を避ける様に耐震パッドをハサミで2つに切って取り付けるとこの後の電池ボックスの取り付けが安定します。
次に電池ボックスに電池を入れて蓋をして耐震パッドの上におきます。
耐震パッドは粘着力があるので、ピタッと取り付くと思います。それから電池ボックスの上にもう一度耐震パッドを張ってください。
この上に乗せるIchigoJamが滑らない様にします。
耐震パッドの上にIchigoJamを乗せて、さらにMaypleSyrupを差し込みます。このとき電池のスイッチが操作できる様に少しずらしてください。
MaypleSyrupの差し込み方は、MaypleSyrupの組み立て説明書をよく見てください。差し込むだけなので、あまり難しい事はありません。最後に背中のIchigoJamやMaypleSyrupが落ちない用に結束バンドや紐で固定させます。耐震パッドだけでかなりくっついているのですが、一応縛っておいた方が安定します。針金のような電気を通す以外のものであれば何でも良いです。
MaypleSyrupは電池でIchigoJamに電源供給をする役割を持っています。接続方法はMaypleSyrupの説明書を一度確認してください。難しくはありません。電池ボックスから伸びている電線をMaypleSyrupの緑の部分に差し込みます。
差し込む時に黄色いつまみを押し込みながら電線を差し込んで、差し込んだ後につまみを離すと固定されます。赤がプラスで黒がマイナスですね。しっかり接続したら電池ボックスのオンオフつまみをオンにしてみてください。ちゃんとつながっていればMaypleSyrupのLEDランプが光るはずです。
光るのを確認したら、電池ボックスのオンオフつまみをオフにして電池を切っておいてください。色々なコードをつないだりする場合には電源を供給しない様にすることで、不要な故障を回避する事ができます。
MaypleSyrupにはいくつかの動作モードがあって、作るものによって(動かしたいものによって)動作モードを使い分けます。今回はモーターを2つ制御するモードにします。それぞれがムシロボットの右足と左足を前後に動かすことになるわけです。ピンの設定はMaypeSyrupの説明書を確認してください。付属のジャンパーピン(小さい黒い粒ですよ)を差し込むだけです。
写真中央のJ2、J3を写真の様に付属のピンを刺してください。こういうのをショートさせると言います。
モーターを動かすモードに設定したMaypleSyrupをムシロボットのモーターとつなぎます。
つなぎ方は写真の通りです。配線の色に注意してください。順番通りに接続しないと、右足・左足および前進・後進の動きがこの後のプログラミング方法の説明と異なってしまいます。
これでムシロボットの完成です。さあ、次回は実際にプログラミングをしてムシロボットを動かして見ましょう。